第14回:これからの時代の栄養学とは

現在の栄養学をめぐる状況は大きく変わってきています。昔は、栄養素の摂取が足りない時代でしたから栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラルなど)の働きや含量が強調され、食べすぎについてあまり考えなくても良く、何を食べても体にとってよかったのです。肉を食べるのはいいことだったし、「1日1回油を使いましょう」といった時代もあったほどです。
ところが、1970年代あたりから、日本人の食生活は豊かになって、十分な栄養素を摂りだすようになります。さらに過剰にカロリーを摂取するようになり、生活習慣病、肥満が問題になり、今に至っているわけです。
私たちは食べ過ぎの時代に入ったわけです。今ではどうすれば食べ過ぎず、生活習慣病にならないかを考えなければならない時代です。ところがいまだに「○○が体にいい」と栄養素不足の時代と同じことが言われています。
食べ物が豊富な現代は、普通に食事をしていれば、栄養が足りなくて病気になることはほとんどありません。むしろ、栄養をとりすぎて病気になることの方が大きな問題なのです。
栄養素が足りない時代につくられた今の栄養学は、もう栄養素が足りているのですから、一度、解体したほうがいいのではないかとさえ思います。
今の栄養学が解体したとしたら、次は、「これからの栄養学はどうあるべきか」ということになります。
改めて、栄養学の目的は何なのかを考えてみると、わたしは栄養学の目的は、まず人間それぞれの価値観を認めること、その価値観に応じて支援することだと思います。
とにかく体を強くしたい人、もっと体重を減らしたい人など、それぞれの価値観を認めることです。それに対して適切な、その人にとっての最大の幸福をもたらす支援をするのが、これからの栄養学だと思います。
たとえば、今の若い人たちのダイエット傾向はとても強いものがあります。「そんなことすると身体に悪いからもっと食べてもっと太りなさい」といっても、まず聞きません。ということは、ダイエット傾向を、くだらない行為だといってしまっては、かえって逆効果なのかもしれません。栄養学という科学である以上、人間にとって幸福をもたらすものでなくてはなりません。
多様化していく人間の価値観と、幸せに対する考え方に、細かく対応していくことが、これからの栄養学の目的だと思います。つまり、「人間に優しい栄養学」がこれから求められる栄養学の形ではないでしょうか。
理科担当:伏木先生
プロフィールはこちら
<参照・出典:「人間は脳で食べている」「おいしさを科学する」著・伏木亨 ちくま新書>
食べ物が豊富な現代は、普通に食事をしていれば、栄養が足りなくて病気になることはほとんどありません。むしろ、栄養をとりすぎて病気になることの方が大きな問題なのです。
栄養素が足りない時代につくられた今の栄養学は、もう栄養素が足りているのですから、一度、解体したほうがいいのではないかとさえ思います。
今の栄養学が解体したとしたら、次は、「これからの栄養学はどうあるべきか」ということになります。
改めて、栄養学の目的は何なのかを考えてみると、わたしは栄養学の目的は、まず人間それぞれの価値観を認めること、その価値観に応じて支援することだと思います。
とにかく体を強くしたい人、もっと体重を減らしたい人など、それぞれの価値観を認めることです。それに対して適切な、その人にとっての最大の幸福をもたらす支援をするのが、これからの栄養学だと思います。
たとえば、今の若い人たちのダイエット傾向はとても強いものがあります。「そんなことすると身体に悪いからもっと食べてもっと太りなさい」といっても、まず聞きません。ということは、ダイエット傾向を、くだらない行為だといってしまっては、かえって逆効果なのかもしれません。栄養学という科学である以上、人間にとって幸福をもたらすものでなくてはなりません。
多様化していく人間の価値観と、幸せに対する考え方に、細かく対応していくことが、これからの栄養学の目的だと思います。つまり、「人間に優しい栄養学」がこれから求められる栄養学の形ではないでしょうか。
理科担当:伏木先生プロフィールはこちら
<参照・出典:「人間は脳で食べている」「おいしさを科学する」著・伏木亨 ちくま新書>
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◆この記事へのコメント
- 「そんなことすると身体に悪いからもっと食べてもっと太りなさい」といっても、まず聞きません…確かにその通りですね。育ち盛りだからといっても、なかなか思うように娘は食べてくれません(泣
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Posted by もこもこ
at 2008年02月18日 05:57
- おっしゃるとおり、最近の栄養学は一人ひとりに対してどのように対応して行くかが必要になってきましたね。今までみたいな一派ひと絡げでくくった栄養学では通用しなくなってきました。健康人であっても臨床栄養学のように個人別栄養指導が必要ですね。
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Posted by いけやん
at 2008年02月18日 08:48
- ”生きる”ことの意味を考えるということでしょうか? 壮大な課題になってきましたが、本質を突いているのだと思います。簡単・便利ばかりを追求した結果がこれですから、この結果をどう解決していくのかが重要です。人の意識を変え、さらに行動まで変えるためには何が必要なのか、大きな問題です。
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Posted by はっちゃん
at 2008年02月18日 10:00
- 朝ごはん食べないで出かけてましたがやはり偏った食事はだめですね。
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Posted by いちごみるく
at 2008年02月18日 10:56
- 「栄養不足」なんて無縁の時代かと思っていたら、「カロリー足りても栄養は不足」ということでしょうか。考え方の根本的な転換が要りますね。頭を切り換えて行動も切り替える。食料等の世界的な高騰も行動を変えるチャンスかもしれませんね。
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Posted by あずみの
at 2008年02月18日 14:29
- 今は飽食の時代といわれますが、栄養をとりすぎて病気になることの方が大きな問題なんて、一昔前まで考えたこともありませんでしたね。
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Posted by モッサン
at 2008年02月18日 20:49
- 朝はご飯は 大切なんですね。一人暮らしなので 偏りがちですが なるべくきちんととるようにします。
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Posted by ろびぃ
at 2008年02月22日 00:23
- これからの栄養学・・・栄養素も大事ですが、食べたいという本能とか気持ちにもっと近づいてほしいなあ。
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Posted by 伊三次
at 2008年02月24日 02:50
- 栄養をとりすぎて病気になるなんて、考えても見ませんでした。
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Posted by kitty
at 2008年02月24日 20:39
- 飽食時代・・・だからこそ自分で自分をきちんと管理することが必要ってことですよね。
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Posted by み~も
at 2008年02月27日 11:16
- 朝ごはんはちゃんと食べています。
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Posted by しょーちゃん
at 2008年02月27日 23:39
- 朝ごはんは食べないとね。
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Posted by kitty
at 2008年02月28日 23:01
- 朝ごはんが一番重要です。
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Posted by kitty
at 2008年03月05日 21:59
- 最近五穀米とか16穀米が身体に良い、とか聞きますが、大人の身体に対する栄養学と、子供の身体に対する栄養学とは違うのだから、同じ釜の飯を食べる時には、弱者(子供)の身体を気遣って消化の良い白米だけのご飯にしたほうが良いのでは?
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Posted by こめみまん
at 2008年03月27日 03:18
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